バングラデシュ最貧困層を4.5%へ 政府、格差拡大懸念の声も成長最優先 (2/2ページ)

2016.4.20 07:21

首都ダッカの路上で水をくむ女性。バングラデシュ政府は、7%台の成長を目指す(AP)

首都ダッカの路上で水をくむ女性。バングラデシュ政府は、7%台の成長を目指す(AP)【拡大】

 こうした声に対し、アブドル財務相は、最貧困層の人口比率が90年の41%から現在の11%にまで縮小しており、1桁台になるのも時間の問題だと強調。今後6年間で年7%台の成長を維持すれば4.5%の目標達成が可能だとしたうえで「所得格差は確かに拡大しているが、最貧困層は減っている。政府の経済政策が機能している証拠だ」と述べた。

 また、同相は「今後も所得格差は広がるだろう。しかし、全般的な所得増は実現できるため、社会問題に発展するまでには至らない」と述べ、貧困解消のための経済成長を最優先させるなか、一定の格差拡大はやむを得ないとの認識を示した。

 バングラデシュ統計局は、同国の今年度(2015年7月~16年6月)の経済成長率が7.1%となり、国民総所得(GNI)は23億4300万ドル(約2555億円)に達すると予想する。これに伴い、1人当たりGNIは、前年度比11.4%増の1466ドルになる見通しだ。

 同国は昨年、世界銀行が定義する低所得国から低位中所得国の仲間入りを果たし、今後は21年までに国連が定義付けた後発発展途上国から脱却することを目標に掲げている。(ニューデリー支局)

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