【飛び立つミャンマー】高橋昭雄東大教授の農村見聞録(37) (3/3ページ)

2016.5.20 05:00

糸を巻く横管巻機を操作する少女。ミャンマーの村の家内工場では多くの児童が雇用されている(1997年マンダレーに隣接するアマラプーラ郡にて筆者撮影)

糸を巻く横管巻機を操作する少女。ミャンマーの村の家内工場では多くの児童が雇用されている(1997年マンダレーに隣接するアマラプーラ郡にて筆者撮影)【拡大】

 以上から、1983年には全人口の75.2%が農村に居住し、その労働力の80.4%が農林水産業に従事していたが、2014年には農村居住人口が全人口の70.4%に減少し、農林水産業就業人口の構成比も68.7%に低下した、という結論を得る。農林水産業就業人口を農業就業人口と読み替えても大きな誤差は出ないが、農業就業人口には農民だけでなく、多くの農業労働者が含まれていることを忘れてはならない。

 1983年の農業部門の名目国内総生産(GDP)構成比は39.1%だったが、2014年には19.7%と大幅に下落している。農林水産業就業者の96%は農業部門に従事しているとして、以上の数値を[農業部門のGDPシェア÷全就業人口に占める農業就業者の構成比]=[農業部門1人当たり平均所得÷国民経済1人当たり平均所得]という恒等式に当てはめてみると、それぞれ1983年については63.0%、2014年については39.2%という値を得る。すなわち1983年時点ですでに農業部門就業者の平均所得は全就業者の平均所得より37.0%低かったが、2014年には60.8%も低くなってしまったということになる。社会主義からの移行段階では農業の交易条件が一時的に改善したが、市場経済の進展に伴って、農業は割のいい仕事ではなくなってきたといえよう。(随時掲載)

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