21日閉幕したG7財務相・中央銀行総裁会議で、円相場をめぐる日米の「さや当て」が浮き彫りとなる中、市場では、日銀による追加の金融緩和で円高抑止を求める声が高まりそうだ。
「日米欧の金融政策について理解が進んだ」
日銀の黒田東彦総裁は、閉幕後の記者会見で成果をこう強調した。
4月中旬、米ワシントンで開催されたG20財務相・中央銀行総裁会議の声明では「金融政策のみでは均衡ある成長につながらない」と金融政策の限界論ともとれる文章が盛り込まれた。多くの投資家は「日銀の政策はもう手詰まり」と感じ、5月3日には一時1ドル=105円台半ばまで円高ドル安が進んだ。
これに対し、今回のG7では「金融政策」に批判的な雰囲気はなかったとみられ、財務省によると「金融政策は経済活動と物価安定を支える」との認識が再確認されたようだ。円を売ってドルを買う「為替介入」が封じられつつある中、「日銀は追加緩和に動きやすくなった」と分析する市場関係者は多い。
黒田総裁はG7開幕直前、報道陣に対し「(円高が)物価目標の達成にネガティブな影響を与えるのであれば、躊(ちゅう)躇(ちょ)なく追加的な緩和措置を講じる」と強調していた。
ただ、1月末の「マイナス金利政策」の導入決定後に円高・株安が進んだこともあり、日銀は難しい判断を迫られそうだ。(藤原章裕)