一方、年金、介護、子育て支援などのメニューがずらりと並ぶ社会保障の充実策は、増税分を財源にする予定だったため、見通しが立たなくなり、取捨選択が迫られるかもしれない。
例えば、年金分野では、増税と同時に低年金者への年6万円の支給や、年金受給に必要な加入年数の25年から10年への短縮を予定していたが、開始時期の見直しが検討される。年金の未納期間が長く、受給資格期間の短縮を心待ちにしていた人には冷や水になる。
待機児童解消に向けた保育の受け皿整備については予定通り来年度から実施する方針で、子育て世帯には救いとなる。だが、その半面、高齢者や介護が必要な人が割を食えば、社会保障への不安から景気回復が遠のく事態も懸念される。