ローマ初の女性市長誕生へ 新興政党「五つ星運動」のラッジ氏37歳

2016.6.20 10:41

ビルジニア・ラッジ氏(AP)
ビルジニア・ラッジ氏(AP)【拡大】

  • 20日、ローマで記者会見するビルジニア・ラッジ氏(ロイター)
  • 17日、ローマ郊外での集会で演説するビルジニア・ラッジ氏(ロイター)
  • 20日、ローマでの記者会見で手を挙げるビルジニア・ラッジ氏(ロイター)
  • 20日、ローマで記者会見場に姿を見せたビルジニア・ラッジ氏(ロイター)

 【ベルリン=宮下日出男】イタリアの地方選挙の決選投票が19日が実施された。ローマ市長選では国政野党の新興政党「五つ星運動」の女性候補ビルジニア・ラッジ氏(37)が得票率約67%で、レンツィ首相率いる中道左派の与党、民主党候補(同約33%)を大きく引き離して当選した。ローマで初の女性市長誕生となる。

 五つ星運動は芸能界出身のベッペ・グリッロ氏が既存政党への対抗のため創設。汚職撲滅などのほか、単一通貨ユーロ「反対」を掲げる欧州連合(EU)への懐疑派で、2013年の総選挙で躍進した。首都の「顔」を押さえたことで、18年の次回総選挙に向けて勢いを増しそうだ。

 今回の地方選は、上院の権限縮小などを盛り込んだ憲法改正案を10月に国民投票にかけるレンツィ首相の試金石とみられていた。憲法改正に政治生命をかけるとしてきた首相にとり、首都での敗北は痛手となる。

 ローマでは昨年10月、民主党の市長が公費流用疑惑で辞任。政治不信が新鮮なイメージを持ち、汚職撲滅や行政サービス向上を訴えるラッジ氏の支持拡大につながったとみられる。ラッジ氏は弁護士で1児の母。

 主要都市の市長選ではこのほか、北部のミラノとボローニャで民主党候補が優勢となる一方、同党は北部トリノで五つ星運動に対して劣勢に立たされている。

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