サミットではインフラ投資でも中国牽制(けんせい)の動きがあった。途上国への質の低い投資は環境・社会への負の影響を招くなどと首脳宣言で触れたのがそうだ。質の高い投資を推進する伊勢志摩原則も確認した。
これらは、中国のインフラ戦略に対抗する日本の基本路線だ。首相は昨年のサミットでも同様の主張をしたが、欧州各国が雪崩を打ってAIIB参加を決めたばかりとあって理解が広がらなかった。今回、日本は討議を主導できる議長国だった。それを割り引いても、先進7カ国(G7)の対中結束は1年前より強まった印象である。
言うまでもなく、その背景には中国経済の減速傾向がある。国有企業改革や過剰債務の解消なども不十分で、各国の対中姿勢は総じて厳しさを増しているのだろう。少なくとも、期待が先行し、バスに乗り遅れるなとばかりにAIIB参加が相次いだ昨年のような雰囲気はみられない。
もちろん、経済外交は自国利益優先の現実的な判断に基づく。今後の対中関係も国ごとに融和と対立が交錯する複雑な展開をみせようが、それでもG7の結束は維持したい。昨年のような足並みの乱れを繰り返すようでは、中国の覇権主義的傾向を助長する。その認識は今後も共有すべきだ。
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連携の試金石となるのが、中国を世界貿易機関(WTO)の「市場経済国」と認めるか否かという問題である。中国はWTO加盟時、当初15年間は他国からのダンピング調査で不利な条件を課される「非市場経済国」と扱われることを受け入れた。その期限が今年末に迫っているのだ。