株価が回復基調にある背景について、ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは「各国の政府や中央銀行が市場安定化のための情報発信をしたことや、リーマン・ショック時とは異なり金融システム不安には陥っていないことが大きい」と語る。
一方、円相場は1ドル=103円を大きく超える円安がなかなか進まず、株価に比べると戻りが鈍いのは否めない。英国のEU離脱決定で世界経済の不確実性が高まり、リスク回避の円買いが入りやすいのに加え、ドル高要因となる米国の追加利上げが一段と遠のいたとの観測が強まり、円安に振れにくくなっている。
岡三オンライン証券の武部力也投資情報部長は「8日に米国の6月雇用統計が発表されるまでは、円安が進んでも1ドル=103円50銭程度だろう」とみる。
投資家のお金が国債などの安全資産に逃避する流れから、長期金利には低下圧力かかり、指標となる新発10年物国債の利回りは29日に過去最低となるマイナス0.240%をつけた。30日はマイナス幅をやや縮めたが、日銀が追加金融緩和に動くとの観測も利回り低下に拍車をかけている。
金融市場は小康状態となってきたが、英国の正式なEU離脱に向けたプロセスははっきりせず、投資家の警戒感が払拭されたわけではない。みずほ証券の三浦豊シニアテクニカルアナリストは「以前のギリシャの財政危機のように、折に触れて問題が浮上する恐れがある」と警告している。