10日に投開票された参院選で、有権者は安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」について一定の評価を示した。ただ、国内景気は力強さを欠き、英国の欧州連合(EU)離脱決定で円高・株安も進んでいる。景気の下支えに向け、政府は秋に大型の経済対策を行う方針だが、構造改革などに取り組み、日本経済の持続的成長につなげることが欠かせない。
「アベノミクスは道半ばだ」。首相自身が認めるようにアベノミクスは岐路にある。2012年の政権発足後、「三本の矢」として、大胆な金融緩和▽機動的な財政出動▽成長戦略-に着手。その結果、円安が進み、企業業績は改善。3年連続の賃上げが実現するなど、一定の成果を上げた。
だが、年明け以降、新興国経済の減速などで円高・株安が進行。英国のEU離脱決定を受け、円相場は一時、13年11月以来となる1ドル=99円台をつけた。輸出企業の業績悪化や設備投資の減少などで、景気が失速する恐れが出ている。
マイナス金利政策で日銀の金融緩和に限界論もささやかれる中、政府は秋に「総合的かつ大胆な経済対策」(安倍首相)を盛り込んだ16年度第2次補正予算案を編成。大型の財政出動でてこ入れする構えだ。対策は5兆~10兆円規模と見込まれたが、与党から上積みを求める声が上がる。