日銀追加緩和に「効果期待してない」「即効性分からない」 経済界、手詰まり感指摘

 日銀が29日決めた追加金融緩和に対し、経済界は効果が見極めきれないとして評価を図りかねている。

 「黒田東彦総裁としても具体的な効果を期待する内容ではなく、大規模な経済対策を行う政府と歩調を合わせる狙いだ」と大手素材メーカーのトップは今回の追加緩和をこう分析する。三越伊勢丹ホールディングスも「即効性があるか分からない」と状況を注視する姿勢だ。

 ただ、神戸製鋼所の梅原尚人副社長は「発電所建設など積極投資を進めており、お金が必要。低金利の状態が続いてくれるのはありがたい」と話す。

 今回の緩和で、為替レートが大きく動いたことには警戒感が強まっている。ソニーの吉田憲一郎副社長は29日の会見で、「世界経済の不透明感が強まっている中で、金利、為替の大きな変動は望ましくない」との見解を示した。

 今期の為替レートを1ドル=110円から105円に変更し、業績を下方修正した三菱重工業の小口正範取締役常務執行役員兼最高財務責任者(CFO)も29日の会見で「105~110円で動くと思っていたが、(追加緩和で)もっと円高に振れている。非常に先行きが読みにくい」と、今後の業績への影響について強い懸念を示した。

 財界首脳は「今回の緩和が小規模だったことをみれば、日銀も打つ手がなくなっていることを実感する」と、日銀に手詰まり感が強まっていると指摘した。