【高論卓説】鎮魂の夏に考えるTPP 日本が率先し反グローバリズム断ち切れ (3/3ページ)

 さらに重要なのは、日本が自国のモノを売り込むだけではなく、グローバル・サプライチェーンのなかで、参加する各国の多様な主体と互いの強み、良さを認め合いながら、新しい事業や製品、技術を創り出す取り組みを加速させることだ。そしてその成果を参加国以外の途上国で直面している社会的課題の解決に役立てていけば、新たな紛争の芽をつむことができるはずだ。日本企業にはTPPを活用して世界平和に貢献し、参加国以外の国々にも開かれた事業展開を期待したい。

 日本人にとっては鎮魂の季節である8月、そのようなことを考えてみた。

【プロフィル】井上洋

 いのうえ・ひろし 経団連教育・スポーツ推進本部長 早大卒。1980年経団連事務局入局。総務本部・秘書グループ長、産業第一本部長などを経て、2015年4月から現職。東京五輪・パラリンピック関連業務を担当。文化審議会の臨時委員などの公職も務める。59歳。東京都出身。