【高論卓説】金融機関の“いばらの道”続く マイナス金利、なお深掘りの可能性 (2/3ページ)

 一方、いくら政府や日銀が個人や中小企業に融資を伸ばせと言っても限りがある。実際、マイナス金利導入以降、変動金利型のシンジケートローン(協調融資)では適用金利がゼロになるものも出ている。また、地銀の主力取引先である地方公共団体融資の入札金利も0.1%まで低下している。

 苦肉の策として金融機関がこぞって手を出しているのが、これまで多くの投資家が敬遠してきた高利回り社債や、東京五輪を当て込んだ大都市圏における不動産向け融資などで、「地元での融資は伸びていない」(地銀幹部)というお寒い状況にある。地銀の中には、預金集めにブレーキをかけているところもあるほどだ。

 しかし、日銀はマイナス金利の手を緩める気配はない。黒田東彦日銀総裁はフジサンケイビジネスアイの単独インタビューで、「欧州のいくつかの中央銀行は導入しているマイナス金利の程度は日銀よりも大きい。技術的にはさらに引き下げる余地があることは間違いない」と語っている。日銀は9月20~21日の政策決定会合で、マイナス金利付き量的・質的金融緩和について「総括的な検証」を行う予定だが、そこでマイナス金利がさらに深掘りされる可能性は捨てきれない。

一方、金融庁は、マイナス金利導入に伴う利ザヤの縮小などにより…