一方、金融庁は、マイナス金利導入に伴う利ザヤの縮小などにより、3メガバンクは今年度の業績が3000億円程度の減益要因となるとの試算をまとめ、日銀にマイナス金利政策を再考するよう働きかけている。「金融庁は究極的に日銀がマイナス金利を撤回することを望んでいる」(金融庁関係者)といわれる。
しかし、黒田総裁は、「日本の金融機関は十分な資本を持つ。(マイナス金利で)金融仲介機能に大きな影響が出るとは懸念していない」(フジサンケイビジネスアイインタビュー)と意に介していない。
9月の「総括的な検証」で、何が飛び出すのか。市場では日銀が金融機関への「貸出支援基金」にマイナス金利を適用するのではないかとささやかれており、短期プライムレートに引き下げ圧力が加わりかねない。そうなれば金融機関の収益はさらに圧迫される。いばらの道は続く。
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【プロフィル】森岡英樹
もりおか・ひでき ジャーナリスト。早大卒。経済紙記者、米国のコンサルタント会社アドバイザー、埼玉県芸術文化振興財団常務理事を経て2004年に独立。58歳。福岡県出身。