今回のTICADは、日本企業のアフリカ進出を加速させる転機となる。アフリカでは中国経済の減速や資源安の影響を受け、中国依存からの脱却を目指す国も散見され、日本に追い風が吹く。産業基盤整備とともに、現地採用や技術移転を掲げる日本企業の進出は、今後アフリカ諸国に歓迎されそうだ。
TICADには、三菱商事や日立製作所など70社以上の企業が同行した。22の民間企業・団体が28日、インフラや金融などで協力する73の覚書に署名。東芝やNECなどは電力の安定供給や交通インフラ整備、テロ対策システムの導入などに向けた覚書をアフリカ諸国と締結した。
アフリカはこれまで感染症対策や、インフラ整備やテロ対策を含めた社会安定といった産業基盤の未整備が企業進出のリスクとなっていた。地理的な遠さもあり、日本企業の現地での取り組みは短期的で小規模なものが多かった。
だが、近年は資源開発など単発案件が中心だった三井物産などの商社がアフリカ南部のインフラ整備やショッピングモールに事業を拡大。味の素が栄養補助食品を販売し、住友化学が防虫効果の高い蚊帳を展開するなど保健衛生面を支援した各社の展開も目立つ。
中国の資源需要に依存したアフリカ諸国の中には、この5年で国内総生産(GDP)成長率が3分の1に激減した国もあり、中国への不信感が募っている。
労働者を国内から連れてくる中国と違って日本は現地採用を進めており、雇用増加や技術移転の観点から日本の支援態勢を期待する声が高まっている。