概算要求総額１０１兆円　３年連続の大台超え　社会保障費膨らむ

　平成２９年度予算の各省庁の概算要求が３１日、出そろった。一般会計の総額は１０１兆円台で、３年連続で１００兆円を突破した。医療、年金など社会保障費が増えた一方、借金返済に充てる国債費は低金利で２８年度要求より減った。財務省は今後査定に乗り出し、各省庁との攻防が始まる。

　要求総額は２８年度当初予算（９６兆７２１８億円）に比べて約５兆円多く、政策経費は７７兆円前後と約４兆円増えた。

　厚生労働省の要求額は社会保障費が拡大し２．７％増の３１兆１２１７億円。防衛省は２．３％増の５兆１６８５億円と過去最大だった。総務省は地方交付税を含め４．３％増の１６兆６７４３億円を求め、インフラの老朽化対策などを掲げる国土交通省は１５％増の６兆６６５４億円を要求した。

　重点施策に優先配分する「特別枠」への要求は上限の約４兆円近くに積み上がり、安倍晋三政権が掲げる「１億総活躍社会」に絡めた事業が目立った。

　国債費は約１兆円増の２４兆６１７４億円となった。ただ算出根拠となる金利を下げ、２８年度要求より約１兆４千億円減った。このほか国が調達した資金を民間に貸し出す財政投融資の要求額は１６兆円台となった。