
会談を前に握手を交わす安倍首相(左)と中国の習近平国家主席=5日、中国・杭州(代表撮影・共同)【拡大】
会談の終わり、安倍首相は「マイナスを減らしてプラスを増やしていこう」と習氏に語った。ただ、これは会談の途中、習氏自身が日中関係の改善に向けて提案した言葉だった。首相に続き、習氏も再び同じ言葉を口にして会談を結んだ。
首相が習氏の言葉を語ったのは、是々非々で対応する姿勢を中国側にアピールするためだったとみられるが、こうしたメッセージは中国側にどう伝わるのか。
尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領海に公船を相次いで侵入させていた中国だが、8月下旬からは活動を沈静化させている。しかし、外務省幹部が「G20が終われば元の状態に戻るのではないか」と指摘するように、今後は、尖閣周辺での行動を再開し、南シナ海問題でも強硬姿勢を貫く可能性が高い。
(杭州・小島優)