
築地市場の移転先となる豊洲市場で、都が土壌汚染対策として実施したと説明していた盛り土が一部行われていなかった問題に関して都庁で関係者に指示を出す東京都の小池百合子知事(中央)=12日午前、東京都新宿区の東京都庁(福島範和撮影)【拡大】
「技術会議はあくまでもどうやったら工事ができるかを考えるところであり、安全性の評価は専門家会議の役割」。都幹部はこう釈明する。だが、その変更を肝心の専門家会議のメンバーにも諮っていない。都は「手続き上の問題があった」とするが、なぜ、そのような事態が起きたかが調査の解明ポイントになる。
議会やホームページなどで、実態と異なる説明をしてきたことも調査対象となる。担当者の説明によると、9月に入って外部から指摘があって問題を認識し、対応を検討していたとしている。それまでは「問題だと思いが至らなかった」というが、市場関係者の一人は「安全性という最も大事なことに対する情報公開の間違いに気づかないなんて、納得できない」と疑問視する。
小池氏に近い都関係者が着目するのは、東京五輪に向け進んできた市場の移転スケジュール。選手村などができる臨海部と都心部を結ぶ環状2号線の一部が築地市場跡地を通り、都は五輪までの「整備完了」から逆算する形で今年11月の豊洲開場を設定していた。
都関係者は「豊洲の工事を急いだ可能性がある」と指摘。小池氏が12日に開いた幹部会議には、オリンピック・パラリンピック準備局幹部の姿もあった。
元日本環境学会会長の畑明郎氏は施設下に水がたまっていることに着目。「水中のベンゼンは揮発しやすく、軽い。建物のコンクリートが古くなってヒビが入れば、そこから漏れる可能性もある」と安全面での懸念に警鐘を鳴らす。