自動運転技術は過疎地の交通アクセス改善や宅配など応用範囲も広く、今後の成長エンジンと目される。ただ、普及には同じ車をどこの国でも販売できるようにする統一的な国際ルールが不可欠だ。老朽インフラをめぐる財政対応も一国レベルでは妙案がなく、協調が遅れれば世界経済に悪影響を与える懸念があった。
同行筋は「技術革新を後押しするという点で各国が一致した」と強調する。だが、採択された宣言にはG7が一枚岩になりきれなかった限界もにじむ。
2025年に世界全体で5兆円の付加価値を生み出すとされる自動運転技術は「世界各国の関連企業がしのぎを削る激戦市場」(大手自動車メーカー)。G7各国はライバル同士で、車両規格の国際標準化では主導権争いが始まっている。
実情を反映し、宣言では日欧が主導する国連での議論進捗(しんちょく)に対する表現を「歓迎」ではなく「確認」にとどめており、今後は基準作りを議論する作業部会でも、各国間の激しい綱引きが予想される。