こうした地域の観光資源を訪日外国人に伝えるには、多言語対応など外国人向けに特化したサービスが不可欠だ。阿寒の地元・釧路市は案内表示やホームページの多言語化、無料Wi-Fi(ワイファイ)整備を実施している。多言語対応は阿蘇くじゅうでも取り組みが進んでおり、伊勢志摩はトイレの洋式化に力を入れる。
ガイド育成も課題
ただ、外国人を案内できるガイドは全国的に少なく、各地で人材育成をどう進めるかがモデル事業の成否の鍵を握る。
また、自然豊かな国立公園は事故の危険と隣り合わせでもある。環境省の有識者会議では、委員から「雷は落ちる、落石はおきる、温泉地だとガスは噴射する。危険がたくさんあるところに観光に行くのだから、自己責任を徹底させる必要がある」と指摘が上がった。観光地化が急速に進めば大切に守ってきた自然が荒らされる懸念もあり、保護と利用の両立をどう図るかが課題になりそうだ。
国立公園のブランド化は、2020年時点で訪日外国人客を年間4000万人とする政府の新たな観光戦略の一環だ。国立公園を訪れた外国人は15年に430万人だったが、政府は1000万人に増やす目標を掲げる。