財務省は4日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)を開き、75歳以上の後期高齢者医療制度で、低所得者らの保険料を最大9割軽減している特例を廃止するよう求める改革案を示した。介護保険で軽度者の利用者負担割合を引き上げる案なども提示。高齢者にも応分の負担をしてもらい、急増する医療・介護費の抑制につなげたい考えだ。
後期高齢者医療制度では低所得者の保険料の定額部分は法令で2~7割軽減すると規定されているが、予算措置で最大9割軽減する特例がある。会社員らの扶養家族だった人も75歳から2年間、5割軽減する規定があるが、特例として無期限で9割軽減されている。
この特例は平成20年度に制度が導入された際、激変緩和のため採用。28年度予算では900万人超に約1千億円が充当された。財務省は「制度趣旨は高齢者にも広く薄く保険料負担を求めるもの」と廃止を主張した。
介護保険サービスの負担割合は介護の必要度に関係なく原則1割。ただ財務省は軽度者(要介護2以下)にかかる費用の伸びが中重度者(要介護3以上)より大きいとして、軽度者の負担割合引き上げを求めた。
このほか、外来患者が身近にいて診察してくれる「かかりつけ医」以外を利用する場合、医療費に少額の定額負担を上乗せすることも求めた。かかりつけ医の受診促進で医療の効率化を図る。
37年には団塊の世代がすべて後期高齢者となり、医療・介護費が急増。政府は24年比で医療費が1.5倍の54兆円、介護費は2.3倍の19.8兆円に膨らむとみる。給付と負担のバランスの適正化を通じた持続可能な制度の構築が急務だ。
厚生労働省は29年度の社会保障費の伸びを約6400億円と見込むが、政府は年約5千億円(28~30年度で1兆5千億円)に抑える方針を掲げている。