円高と日銀の新政策移行 マイナス金利拡大を躊躇するな (3/4ページ)


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 繰り返すが、日銀がお札を大量に刷ることよりも実質金利こそが円相場を決定づけることは明白だ。したがって、日銀の新政策は正しいのだが、円高阻止への意思ははっきりしていないようだ。

 新政策移行の踏み台にした異次元緩和の総括的検証では、最近の円高の原因についてはほとんど追求していない。焦点はもっぱら物価との関連だ。実質金利の上昇こそが円高の主因であり、マイナス金利にもかかわらず実質金利がプラスに転じたのは消費者物価上昇率がそれ以上のマイナスになったからだ。つまり、デフレ局面に舞い戻ったわけだが、それを招いたのは平成26年4月からの消費税率8%への引き上げである。

 増税後、家計消費が落ち込んだまま低迷が続いている。デフレ圧力と内需の低迷を背景に企業も賃上げをためらうという悪循環にはまった。となると、円高の真犯人は消費税増税という「失政」にある。その責めは、「消費税を増税しても景気はよくなる」とうそぶいて増税関連法を通した野田佳彦前政権と、実施に踏み切った安倍政権が負うばかりではない。

安倍首相周辺は円高に焦り始めている