IR法案の行方にらみ米カジノ王が熱視線「日本に行きたくて仕方がない」 (2/3ページ)

ライトアップされて輝く「ザ・パリジャン・マカオ」(ザ・パリジャン・マカオ提供)
ライトアップされて輝く「ザ・パリジャン・マカオ」(ザ・パリジャン・マカオ提供)【拡大】

  • 「ザ・パリジャン・マカオ」のカジノ場。不夜城には世界中から客が訪れる(ザ・パリジャン・マカオ提供)
  • 「ザ・パリジャン・マカオ」に完備されたキッズルーム。ファミリーもターゲットだ(巽尚之撮影)

 法案審議をにらみ、自治体も準備を進めている。関西でも大阪市や大阪府、関経連などは「大阪ににぎわいの創出を」と埋め立てが進む夢洲(大阪市此花区)にIRを誘致する計画。大阪市は「法案が通ればカジノを含めたIRとなるが通らなければ国際会議場などカジノ抜きの施設をつくる」(立地推進部)とすでに民間からアイデアを募集し、12件が寄せられた。さらに2025年には大阪府がこの夢洲に「大阪万博」を誘致する方針。

 一方、東京都も2020年の東京五輪後、台場南側の臨海副都心にIRを誘致する計画で海外の情報収集を急いでいる。小池百合子知事も誘致に前向きだ。

カジノの聖地には家族向けIR

 世界的なカジノの聖地といえばマカオ。カジノ収入約2300億パタカ(約3兆円、2015年)と米ラスベガスを抜く世界一のカジノ都市だが、汚職追放の「反腐敗」をスローガンに掲げる中国・習近平政権の締め付けで中国から訪れる富裕層らは大きく減少している。実際、マカオのカジノ場では手持ちぶさたなディーラーを見かけた。

 そのマカオ南部のコタイ地区に9月13日、「エッフェル塔」が2分の1サイズでそびえ立った。客室3000のホテルやカジノ場を設けた「ザ・パリジャン・マカオ」。サンズ社が総額2700億円を投じて開業にこぎつけ、同日にはマカオ政界の要人や芸能人らが駆けつけて開業を祝うバレエ公演や花火など派手な演出が注目を集めた。

 コタイ地区では最近、大規模な開発が相次ぎ、新たなIRが誕生している。日本のホテルオークラなど6つのホテルを擁する「ギャラクシー」の第2期や「スタジオシティ・マカオ」をはじめ、8月には「ウィン・パレス」が開業した。

カジノ王「日本に行きたくて仕方がない」