トランプ氏が勝利すれば、米国の政治や経済、外交の先行きに不確実性が高まるとの見方から、世界の投資家が一段とリスク回避に動く恐れが強まる。
円相場の見通しについて、SMBC日興証券の野地慎氏は「英EU離脱決定直後につけた1ドル=99円00銭を試しに行き、1ドル=97~98円もあり得る」と指摘。平均株価も「瞬間風速的には1万5500円程度まで下落しかねない」と松井証券の窪田朋一郎氏は語る。
一方、クリントン氏が勝利すればオバマ政権の政策が継承されると見方から、最近の株安傾向や主要通貨に対するドル売りの反動が起き、ひとまず株高と円安ドル高で反応しそうだ。
ただその場合も、同時実施の上下両院選の結果によっては様相が異なってくる可能性がある。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘氏は、上下両院選でともに共和党が過半数となれば、大統領と議会の「ねじれ」が続くとして、「平均株価はいったん戻っても、その後は閉塞(へいそく)感の強い相場が続く」とみる。
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■米大統領選で円相場と日経平均株価はどうなる
≪円相場≫
・SMBC日興証券の野地慎氏
クリントン氏勝利なら 1ドル=105円
トランプ氏勝利なら 1ドル=97~98円
・岡三オンライン証券の武部力也氏
クリントン氏勝利なら 1ドル=105円50銭
トランプ氏勝利なら 1ドル=99円
≪日経平均株価≫
・みずほ証券の三野博且氏
クリントン氏勝利なら 1万7500円目指す
トランプ氏勝利なら 1万6000円割れ
≪株価≫
・松井証券の窪田朋一郎氏
クリントン氏勝利なら 1万7200円
トランプ氏勝利なら 1万5500円