
衆院本会議でTPP承認案が可決され、自民党の竹下亘国対委員長(右)と言葉を交わす安倍晋三首相=10日午後、国会(斎藤良雄撮影)【拡大】
安倍晋三首相は17日に予定するトランプ氏との会談で、覇権主義の姿勢を強める中国を経済的に包囲するTPPの意義を念頭に、就任後の批准について可能性を探る構えだ。
経済産業省幹部は「トランプ氏はビジネスマンだ。恐らく思想に基づいて主張しているわけではない。実利を説けば分かってくれるはず」と期待を寄せる。
TPPは発効要件である域内GDP(国内総生産)の85%以上の国が批准しなくても、合意内容自体は消滅しない。トランプ氏が就任後に翻意するか、4年後の選挙で推進派の新大統領が誕生すれば、発効する可能性は残る。
SMBC日興証券の渡辺浩志シニアエコノミストは「現在の内容での批准が望ましいが、現状では絶望的になった」と分析。その上で、自由貿易に積極的な共和党議員に働きかけて関税引き上げなどを防ぐほか、TPPについては「再交渉による合意内容の修正を認めてでも米議会の承認を促すべきだ」と述べた。(田辺裕晶)