理屈は後からくる
しかし、これらは選挙キャンペーン中からトランプ氏が公約に掲げてきたものだ。政策自体も1980年代にレーガン大統領が進めた「レーガノミクス」の焼き直しといえる。「トランポノミクス」と名付けるほどの目新しさはない。
市場の右往左往ぶりは、なにやら「ブレグジット(英国のEU離脱)」のときとも重なる。
「理屈は後からついてくる」
駆け出しの経済記者時代、よく耳にした言葉だ。相場が動いた理由を尋ねると、証券・金融市場のディーラーたちが決まって語ったセリフである。
後講釈にさほどの意味がないのは、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)をめぐる野党の安倍晋三首相への批判も同じだろう。
首相は、当選後のトランプ氏と他の外国首脳に先駆けてニューヨークで会談し、政権が代わっても日米関係に揺るぎがないことを内外に印象付けた。
首相は会談後、「信頼関係を築く確信を持てる会談だった」と述べたものの、具体的中身については「あくまで大統領就任前の非公式な訪問」を理由に明かさなかった。
ところが、そのわずか数日後、トランプ氏は来年1月の就任初日にTPPから離脱する考えを改めて表明。野党は「米国抜きのTPPは無意味」として反TPPのトーンを強めた。安倍・トランプ関係の齟齬(そご)をつくことで政権批判につなげる計算だ。