【社説で経済を読む】「トランプ当選なら暴落」反省はどこに 「理屈は後からついてくる」 (3/4ページ)

 TPPについては、農家保護の観点から地方紙がおおむね反対の立場を取るのに対し、全国紙は自由貿易推進の観点から賛成の方向で一致している。朝日も、トランプ次期大統領のTPP離脱表明には「他の政策では現実路線に転じる姿勢を見せているだけに、翻意への期待も出始めていたが、それを否定した格好だ」(11月23日付社説)と残念がる。

 そもそもTPPは、日米を中心とするアジア太平洋地域の12カ国で、現状では最も先端的な貿易ルールを構築するのが最大の目的だ。経済規模で世界の約4割を占める地域のルール作りは、欧州を巻き込み、やがては中国も世界の共通ルールに引き入れる戦略的狙いが込められている。

 その意味でも米国の不参加は「域内経済のみならず、安全保障も含むあらゆる面にマイナスの影響を及ぼす」(産経11月25日付主張)。「その間隙を突こうとしているのが、米国中心の国際秩序に挑む中国の覇権主義である。国益を追求するというなら、トランプ氏は現実を直視すべきだ」とする懸念は当然だ。

RCEPでいいのか

 読売も11月23日付社説で「同時に考えておくべきは、米国が離脱しても、残る11か国が国内手続きを進めてTPPの枠組みを維持する方策ではないか」と提案する。最後まで米国に翻意を促す覚悟がほしい。

気になるのは朝日の社説