ただ、最近のプーチン氏は同宣言について、「2島引き渡しの時期や条件、その後の主権は記されていない」と重ねて発言。「2島」返還ですらも細部は決まっていないと主張し、交渉のハードルを引き上げてきた経緯がある。訪日前のインタビューでも、北方四島の帰属問題は「共同宣言の枠を超えた全く別の話だ」と一蹴してみせた。
日露の協議する北方領土での「共同経済活動」についても、露高官は「ロシアの法に基づかねばならない」との立場を崩しておらず、日本側には受け入れられない状況が続いている。
安倍政権の期待するプーチン氏の「強さ」は、強硬な対外政策に根ざしているのが実情だ。欧米を敵に回し、クリミア併合という「領土拡張」を行ったことで、低下傾向にあったプーチン氏の支持率は8割超に跳ね上がった。こうして「愛国機運」を焚きつけてきたプーチン政権が、領土問題で「弱腰」を見せられる状況にはない。(モスクワ支局長 遠藤良介)