【日露の行方】(上)北方領土返還交渉の扉重く 首相戦略、狭まる気配 (2/2ページ)

 来年1月にトランプ大統領が誕生した後は、日本にとって対露交渉はさらに厳しい状況になりかねない。プーチン大統領は2018年に自身の大統領選を控え「領土問題で妥協する可能性は限りなくゼロ」(日露外交筋)との見方が出る。ロシア経済に暗い影を落としていた原油安は、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国の協調減産で歯止めがかかる見通しだ。北方四島での経済協力をてこに首相が動かそうとする日露間交渉は、再び機運がそがれる懸念が強まる。外務省幹部は視線を落とす。「ロシアが国際社会からの孤立感を打ち消す目的で日本に近づく必要はなくなってしまう」

 日露首脳が2日間にわたり会談し、北方領土問題を含む平和条約締結交渉をめぐって議論を交わした。北方四島での共同経済活動の協議入り合意は、領土問題を動かす契機になるのか。両者の今後の戦略や思惑を探った。