--その2年間に取り組むことは
「アベノミクスはすでにメニューははっきりし、取り組む方向は決まっている。ただ、人手を増やし、生産性を向上させ、設備投資を拡大するサプライサイド(供給側)政策は時間がかかる。この2年間の猶予の中で改革を進めるべきだ。家計ではデフレマインドを払拭することが重要だ。企業にとっては、省力化投資や統合再編、M&Aなどに積極的に取り組み、生産性の向上を図る必要がある」
--中小企業の課題は
「最大の課題は人手不足だ。今後、年間数十万人規模での労働人口の減少の中では、女性や高齢者の活躍推進を加速させることが必要だ。同時に、情報技術(IT)化を進めて、生産性を上げることにも取り組まなくてはならない。クラウド化やソフトウエアがパッケージ化され、導入も簡単になっているし、同時にIT技術も等比級数的に進歩するなかで、経営者がITだけでなく、IoT(モノのインターネット)、人工知能(AI)の導入などで生産性を向上すべきだ。政府も2年間でITコーディネーターを1万社に派遣し、中小企業のIT化加速に乗り出している。現在0.2%とされている潜在成長率を引き上げていくことが大きな課題となる」
「さらに課題となっているのが、事業承継だ。この15年間で40万社が減っているが、人手不足と後継者不足が大きな要因だ。来年度の税制改正で一定の対応策は出たが、まだまだ進めていく必要がある」
◇
【プロフィル】三村明夫
みむら・あきお 東大経卒。1963年富士製鉄(現新日鉄住金)入社。新日本製鉄(同)社長、会長を経て2012年から新日鉄住金相談役。13年11月から日本商工会議所会頭。76歳。群馬県出身。