
春闘に向けた労使の方針【拡大】
政府は、安倍首相が経済界に対し、少なくとも前回春闘並みの水準の賃上げを期待したいとした上で、4年連続のベア実現を求めている。このため、経労委報告ではベアを賃金引き上げの手法の柱と位置付けており、昨年よりも「踏み込んだ」(榊原会長)表現とした。ただ、将来の人件費上昇につながるベアには、多くの企業が慎重なのが実情だ。一方、労使とも今回の春闘方針には、過去3年の総括も反映した。
連合白書は前年まで「経済の好循環の実現」をテーマに盛り込んでいたが、今年はこの表現を使用しなかった。今春闘を「再びデフレの深い闇に舞い戻るかどうかの分水嶺(ぶんすいれい)」と位置付け、これまで以上に強い危機感を背景に、経営側との交渉に臨む姿勢を明確にした。
また経団連は、過去3年間に高水準の賃上げを実施したにもかかわらず、賃上げ分が社会保険料の上昇分で相殺されることなどで、消費に回っていないと分析。政府に対して、将来不安をなくすための社会保障制度改革の断行を求めた。(平尾孝)