日本の排他的経済水域に接する北海道沖や三陸沖の公海で操業する中国漁船団の乱獲が深刻化している。水産庁は、中国政府の許可がない違法船を調べ上げ、入港禁止などの措置を求める方針だ。主に需要が増えているサバを狙った操業とみられ、資源の枯渇を防ぐため漁獲枠の設定などの国際的な対策も急いでいる。
日本は2013年に中国、韓国、台湾などと北太平洋公海の漁業資源管理を議論する「北太平洋漁業委員会(NPFC)」を設立。サバやサンマなどの乱獲を防ぐため、昨年から各国が操業を許可した漁船を同委に登録するよう義務付けた。
日本は今年7月の委員会で違法な操業を繰り返す漁船のブラックリスト化を提案する方針。また、中国の消費や中東向けの缶詰用で需要が増えているサバの資源量を調査し、各国に漁獲枠設定を呼びかける。
水産庁によると、15年からこの海域で操業する中国船が急増しており、16年は前年比94隻増の288隻が確認された。16年の調査で初めて無登録漁船を確認したところ、67隻が船名を偽るなど違法に操業していたという。