
対峙する米中首脳トランプ大統領((左)、ロイター)と習近平国家主席(AP)【拡大】
中国共産党は現在、秋の党大会に向けて各派閥の激しい権力闘争が展開されている。このタイミングで、もし習氏が電話越しにトランプ氏から「南シナ海での拡張をやめろ」「台湾をいじめるな」といった“暴言”を吐かれたり、あるいはツイッターで「最悪な会談だった」と書かれたりした場合、たちまち「対米外交に失敗した」というレッテルを貼られ、党内の政敵から攻撃されかねない。
トランプ氏の前任者のオバマ前大統領とは頻繁に電話会談を行ってきた習氏が今回、米中首脳のホットラインを使わない事情はそこにあるとみられる。
米大統領就任から二週間以上が過ぎ、書簡を交換することでしか接触できない状況を考えれば、トランプ時代の米中関係は、オバマ時代から大きく後退したといえる。(矢板明夫、ワシントン 黒瀬悦成)