
8日、ワシントンで演説するトランプ米大統領。10日の日米首脳会談でどんな通商政策を求めてくるか注目される(AP)【拡大】
日米首脳会談が10日に迫るなか、米トランプ政権の通商政策に日本政府が神経をとがらせている。政権の通商戦略の司令塔となる新設の「国家通商会議」委員長に就任したピーター・ナバロ氏らが昨年9月に発表した論文では、貿易赤字を抱える相手国として日本、中国など6カ国を名指しで批判。今後の日米交渉で円安ドル高の是正を強硬に求めてくる可能性もあり、政府は対応に苦慮しそうだ。
論文は大統領選中、トランプ陣営の政策立案に携わったナバロ氏と商務長官に就任予定のウィルバー・ロス氏が共著で発表した。両氏はトランプ政権の通商戦略を左右するキーマンとされる。
通商政策が専門のナバロ氏は日本政府内で「(日米貿易摩擦が激化した)1980年代にもあんなやつはいなかった」(通商筋)とささやかれるほどの強硬派だ。ロス氏は投資家として多くの企業再建を手がけ、知日派としても知られている。
論文は、米国の慢性的な貿易赤字の解消が米国経済の成長につながると主張。米国の貿易赤字のうち「約半分」を、カナダや中国、ドイツ、日本、メキシコ、韓国の「たった6カ国で占めている」と批判した。貿易赤字拡大の原因には、通商交渉におけるオバマ前政権などの「まずい交渉」があるとして、「弱腰外交」からの脱却を主張。トランプ政権は各国との2国間での「強硬で賢い交渉」を通じ不均衡を是正していくと訴えた。