無難に乗り切った日米首脳会談 陰の主役は“中国” 直前の米中会談「密約」観測も (4/4ページ)

2017.3.12 13:00

安倍晋三首相の昭恵夫人が「エアフォースワンでマイアミに移動しました。」とのコメントとともにフェイスブックに投稿した写真。首相はエアフォースワンと書かれたジャンパーを着ている
安倍晋三首相の昭恵夫人が「エアフォースワンでマイアミに移動しました。」とのコメントとともにフェイスブックに投稿した写真。首相はエアフォースワンと書かれたジャンパーを着ている【拡大】

  • 米ホワイトハウスでの共同記者会見を終え、安倍晋三首相に歩み寄って握手するトランプ米大統領。2日間にわたって「気配り」を示し続けた=2月10日(ロイター)
  • 北朝鮮の弾道ミサイル発射を受け、記者会見に臨む安倍晋三首相(左)とトランプ米大統領=2月11日、米フロリダ州パームビーチ(松本健吾撮影)

 ただ、トランプ氏の中国批判が突然鳴りを潜めたのは奇異な印象だ。

 「米中は表面上は対立しているが、裏側で手を握っているのではないか」。

 ある証券系エコノミストはこんなうがった見方を披露する。米国が中国を為替操作国に認定すれば、中国は人民元買い・ドル売りの為替介入をやめてしまい、かえって大幅な元安を招いて中国の輸出競争力を高めてしまうからだ。

 一部報道によれば、日米首脳の記者会見終了後、外務省幹部は「経済面で(米中間に)何らかの取引が進んでいる可能性がある」と警戒感をあらわにした。

 みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「日米首脳会談の『陰の主役』は中国だったのではないか。米中電話会談などで、中国が米国に投資する見返りに、米国は中国の為替介入を黙認するという密約が交わされた可能性もゼロではない」と解説する。

 密約が事実とすれば、米中のやり口はあまりにもしたたかだ。「トランプ氏は柔軟なビジネスマン」との評もある。さらに、通商・為替問題で中国が歩み寄る代わりに、安全保障問題で米国が中国に配慮する「裏取引」が万一交わされれば、日本外交にも大打撃となる。2月末には中国外交トップの楊潔●(竹かんむりに广に虎)国務委員が米国を訪問。トランプ政権の発足後、中国高官の訪米が確認されるのは初めて。

 米中の裏取引は、日本の対米・対中ビジネスに影響を与えかねず、金融市場の大混乱も招きかねない。日本は官民を挙げて、米中の水面下の駆け引きを「監視」し続けるべきだろう。(経済本部 藤原章裕)

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