北陸新幹線の未着工区間の福井県・敦賀以西のルートについて、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)は15日、京都-新大阪は京都府南部の京田辺市を経由する「南回り案」とすることを正式決定した。敦賀-京都は昨年末に福井県・小浜を通る「小浜京都ルート」に決まっており、1973年の整備計画の決定以来40年余りで、北陸新幹線全線のルートが確定した。
地元自治体は早期の全線開業を強く要望しており、2031年春以降とされる着工時期の前倒しや、2兆1000億円に上る建設財源の確保が焦点となる。構想段階である山陰、四国各新幹線など基本計画の実現を求める声も高まりそうだ。
PT座長の茂木敏充自民党政調会長は会合後「実際に完成して本当の効果が出る。整備財源の確保などの課題にしっかり対応していく」と述べた。また、国土交通省などに対し、17年度当初から詳しい経路や駅の位置を決めるための調査を実施し、その後速やかに環境影響評価(アセスメント)の手続きを進めるよう求めた。
南回り案が採用された敦賀-新大阪のルートは全長約143キロで、小浜、京都を経由して、京田辺市のJR片町線松井山手駅付近に設置する新駅を通り、新大阪に至る。工期は15年と見込まれ、31年春に着工する場合、46年春に開業する見通し。所要時間は現在の特急より30分以上短い44分となる。
国交省の南回り案の試算では、費用対効果の数値は「1.1」で、着工の条件とされる1を上回っていた。
与党PTはまた、23年春ごろ開業予定の金沢-敦賀で現在の計画にない石川県白山市への新駅設置について、採算が取れず営業主体のJR西日本の同意が得られないとして見送ることを決めた。