トランプ政権の「パリ協定」離脱表明は荒唐無稽 中国の専横許し、国内雇用も戻らず (3/4ページ)

2017.6.18 13:13

地球温暖化防止の枠組み「パリ協定」からの離脱を表明するトランプ米大統領=6月1日、ワシントンのホワイトハウス(ゲッティ=共同)
地球温暖化防止の枠組み「パリ協定」からの離脱を表明するトランプ米大統領=6月1日、ワシントンのホワイトハウス(ゲッティ=共同)【拡大】

  • ブリュッセルで共同記者会見する(左から)ユンケルEU欧州委員長、李克強・中国首相、トゥスクEU大統領。EUと中国は「パリ協定」からの米国の離脱を「大きな誤り」と見なしていると述べた=6月2日(AP=共同)
  • 中国外務省で記者会見する華春瑩副報道局長。「中国は『責任ある大国』としてパリ協定推進のために積極的に努力し、貢献してきた」と強調した=6月2日、北京(共同)
  • 米首都ワシントンのホワイトハウス前で、トランプ大統領が表明したパリ協定離脱に反対する市民ら=6月3日(共同)
  • 米首都ワシントンのホワイトハウス前で、トランプ大統領が表明したパリ協定離脱への支持をアピールする市民ら=6月3日(共同)

 ちなみに2位の日本は表明した15億ドルの拠出を既に確約した。米国の拠出停止で途上国から肩代わりを迫られるであろう日本にとって、「米国は既に他のどの国よりも先んじている。他の国の多くは何も支払っていない」という言葉は白々しい以外の何物でもない。

 政治的な演出

 「トランプを弾劾せよ!」。米メディアによると、トランプ氏がパリ協定からの離脱を表明して最初の週末となった3日、ワシントンの緑地帯ナショナルモールでは、ロシア政府による米大統領選への干渉疑惑や大統領側近らとロシアとの不透明な関係について徹底した捜査を求め市民約千人が抗議の声を上げた。

 政権基盤が大きく揺らぐなか、トランプ氏のパリ協定離脱表明は国内の支持基盤に向かって発した政治的アピールの側面が大きい。

 オバマ前政権と結託して温暖化交渉を主導しながら実質的には国内の排出量を増やしている中国や、何かと口うるさい欧州の言いなりにならず、米国民の利益を守る-。そんな宣言だ。

 確かに、「2030年ごろまでに二酸化炭素(CO2)排出量をピークアウトさせる」という中国の目標は、特段の努力なしでも達成可能なものだ。最小限の努力を最大限アピールする姿は偽善的ですらある。

今回の表明が中国に有利となる

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