ちなみに2位の日本は表明した15億ドルの拠出を既に確約した。米国の拠出停止で途上国から肩代わりを迫られるであろう日本にとって、「米国は既に他のどの国よりも先んじている。他の国の多くは何も支払っていない」という言葉は白々しい以外の何物でもない。
政治的な演出
「トランプを弾劾せよ!」。米メディアによると、トランプ氏がパリ協定からの離脱を表明して最初の週末となった3日、ワシントンの緑地帯ナショナルモールでは、ロシア政府による米大統領選への干渉疑惑や大統領側近らとロシアとの不透明な関係について徹底した捜査を求め市民約千人が抗議の声を上げた。
政権基盤が大きく揺らぐなか、トランプ氏のパリ協定離脱表明は国内の支持基盤に向かって発した政治的アピールの側面が大きい。
オバマ前政権と結託して温暖化交渉を主導しながら実質的には国内の排出量を増やしている中国や、何かと口うるさい欧州の言いなりにならず、米国民の利益を守る-。そんな宣言だ。
確かに、「2030年ごろまでに二酸化炭素(CO2)排出量をピークアウトさせる」という中国の目標は、特段の努力なしでも達成可能なものだ。最小限の努力を最大限アピールする姿は偽善的ですらある。