
地球温暖化防止の枠組み「パリ協定」からの離脱を表明するトランプ米大統領=6月1日、ワシントンのホワイトハウス(ゲッティ=共同)【拡大】
ただ、「不公平」を解消したいなら米国も削減目標を引き下げれば済む話で、離脱表明は支持者受けしても対外的な説得力はもたない。
むしろ、今回の表明で米国の国際的な指導力の低下は決定的となり、その空白を中国が埋めるのは必至だ。2018年末までに策定するパリ協定の詳細な運用ルールは、中国が代表する発展途上国サイドにより有利なものになる可能性がある。
米国と同グループで温暖化交渉に臨んできた日本にとって、過度な負担を押しつけられないためにも今後の交渉は正念場だ。米国に粘り強く協定復帰を働きかけるとともに、議論を先導する覚悟が求められる。(産経新聞社経済本部 田辺裕晶)
■パリ協定 2020年以降の地球温暖化防止対策の新たな国際枠組み。15年12月に約190カ国が合意し、16年11月に発効した。世界の温室効果ガスの排出量を今世紀後半に実質的にゼロにし、気温上昇を産業革命前から2度未満、できれば1.5度以内とすることを目指す。批准国は5年ごとに削減目標を国連に提出して対策を実施する義務を負うが、目標を達成できなくても罰則はない。