接近、共闘も「限界ある」の指摘… “対トランプ”欧州と中国の結束は本物か (3/4ページ)

  • 5月31日、ベルリンで中国の李克強首相(左)を迎えるメルケル独首相(AP)
  • 2日、ブリュッセルの欧州連合(EU)本部で、各種の協力協定の署名式に出席するトゥスクEU大統領(左)と中国の李克強首相(中央)、ユンケル欧州委員長(AP)

 また、EUは中国企業が欧州に自由に進出するのに対し、中国市場では欧州など海外企業のアクセスが制限されていることを問題視する。中国とは公正な環境整備のため投資協定締結を目指すが、交渉は難航中。中国は輸出拡大のため、EUとの自由貿易協定を望むが、メルケル氏は「投資協定が前提」とあしらった。

 欧州は中国の人権問題も懸念する。トゥスク氏は首脳会談で温暖化対策という「共通点」を見いだした意義を強調したが、裏を返せば他の課題で相違は埋められなかったということだ。

 温暖化対策でもすれ違いがあるとの見方は強い。英紙フィナンシャル・タイムズは欧州が地球の環境保全を重視するのに対し、中国は国内の危機的な大気汚染の改善と「再生可能エネルギーの市場の支配」が「動機」と指摘。独週刊紙ツァイトは一方で「古い火力発電を輸出している」と中国の姿勢に疑問を呈した。

 EUとの首脳会談では温暖化対策の協力も含む共同声明が発表される見通しだったが、見送られた。中国が通商問題で主張が通らなかったためと伝えられる。記者会見でパリ協定に一言も触れなかった李氏からは通商問題に没頭していた様子がうかがえる。DPA通信はEUと中国の協力に「悪い予兆」と伝えた。

 米国との関係が揺らぐ欧州では新たなパートナーを探すべきだといった見解もあるが、ドイツの著名な知識人、テオ・ゾンマー氏は価値を共有しない中国との関係には「限界がある」と指摘する。メルケル氏も中国に対して「過度の幻想を抱いていない」(シュピーゲル)とされる。

「いつかは『トランプ後』の時代がくる」

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