そもそも「対トランプ」のため、中国などとの協力を進めても、欧州にとり対米関係が基軸であることに変わりはない。とりわけロシアやテロといった安全保障上の脅威への対処に米国の協力は不可欠だ。
「欧州が他国に頼れる時代は幾分過ぎた」。こんな発言で波紋を呼んだメルケル氏もその後は「欧米関係は歴史上重要だったが、将来もそれは変わらない」と強調。トゥスク氏は李氏を前に米国のパリ協定離脱を遺憾の意を示す一方、「大西洋の絆はそれ以上に重要で強靱だ」と述べた。
ゾンマー氏は「北大西洋条約機構(NATO)に代替はない」とし、トランプ氏への不信が強くても、米国との決別という選択肢は「誤り」と言明。その上で「いつかは『トランプ後』の時代がくる。それまでわれわれは冷静に耐え抜くべきだ」と指摘している。
■パリ協定■ 先進国を中心に温室効果ガスの削減義務を課した京都議定書に代わって、途上国も含めたすべての国の参加を目指した新たな地球温暖化対策の国際枠組み。産業革命前からの気温上昇を2度未満とすることが目標。各国が削減目標を掲げ、互いに検証する仕組みを採用した。2015年12月に採択され、16年11月に発効。米国や中国を含む140カ国以上が批准した。