
第2回年次総会で開幕を宣言したAIIBの金立群総裁=16日、韓国・済州島(河崎真澄撮影)【拡大】
とはいえ、国際金融機関の基本的な役割は主に途上国支援だろう。戦後復興に向けた国際組織として、世界銀行や欧州復興銀行(EBRD)、そしてADBという流れがある。AIIBが単なるインフラ専門の商業銀行ならば、民間金融機関との差はあまりない。
融資審査は外部委託
一方で80カ国・地域が慌てて参加するなど、“期待感”ばかりが先行するAIIBの実像は一般にはまだ知られていない。改めてこの組織をヒト(人)、カネ(資金)、モノ(プロジェクト)からみると、酷な言い方だが、「幽霊の正体見たり枯れ尾花」といっていいほどの開きがある。
AIIBとADBの「ヒトと組織」比較表を作成してみた。AIIBの初代総裁は中国の元財政次官でADB副総裁を歴任した金立群氏。ただ、拠点は北京市内の本部のみで職員数はわずか100人ほど。日本なら地銀や信金にも劣るマンパワーだ。融資審査など専門業務は外部にアウトソーシング(委託)する。「21世紀型のガバナンスだ」と金氏は今月17日に済州島で行った記者会見で胸を張ったが、3100人近い専門職員が世界26の拠点で働くADBとの差は歴然だ。