
昨年、運行開始した韓国の高速鉄道SRT。韓国鉄道公社との統合が検討される(youtoubeより)【拡大】
国土部は7月にもタスクフォースを設け、韓国鉄道公社とSRの統合案と分離案双方のメリット、デメリットを検討し、9月の国政監査まで決定する見通しだ。ただ、金長官は野党時代からSRの発足に強く反対していたほか、文大統領自身が就任前の今年5月、「競争体制の名目で行われた鉄道民営化政策に反対する」との協定を鉄道労組と結び、統合を公約に掲げていた。このため、韓国鉄道公社の独占体制への回帰は既定路線との見方が大勢だ。
消費者メリットは明白だが…公共性は誰のため?
SRTはソウル特別市江南区の水西駅から、途中でKTXの路線に乗り入れ釜山駅、木浦駅などを結ぶ新線だ。慢性的に混雑が続くKTXに変わる代替路線として、昨年12月に開通した。当時、連合ニュースなどは「117年ぶりに鉄道の競争体制構築」と歓迎した。
実際、SRTはKTXに比べ、平均10%安く運賃を設定したほか、全座席にコンセントを設置するなど、価格やサービス面での差別化を図った。韓国鉄道公社もこれに対抗し、KTXの運賃の5%を還元するマイレージ制度を導入したほか、シャトルバスによる乗り換え利便性の向上に乗り出すなど、競争体制における消費者メリットは直ちに現れた。
韓国交通研究院のまとめたリポートによると、SRTの運行開始により座席供給が1日あたり5万席超増え、多くの乗客が高速鉄道を利用できるようになったという。韓国鉄道公社の独占体制が崩れたことによる、消費者へのメリットは明らかだ。