日欧合意でメガFTA追い風 通商交渉“秋の陣”進展なら米TPP復帰も (3/4ページ)

 対中折衝にも効果

 追い風を受けるのはTPPだけではない。同じく11月のAPEC首脳会議で大筋合意を目指す東アジア地域包括的経済連携(RCEP)にも相乗効果がある。

 中国やインド、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国などが参加するRCEPは、ASEAN創立50周年の節目の年である2017年中の妥結を目指す。ただ、国有企業などの利権を守るため緩やかな自由化にとどめたい中国と、TPPを下敷きにレベルの高い協定を目指す日本との間で綱引きが続く。アジア地域の貿易秩序の主導権をめぐる争いだ。

 協定の中核となるASEAN各国が合意を急ぐ中、質の高い合意にこだわる日本が孤立する懸念が指摘されていた。

 ただ、経済官庁幹部は「もともと質が高いTPPの発効が再び現実味を帯び、日欧は大枠合意した。RCEPも“安上がり”したら格好悪いという雰囲気が出てきている」と風向きの変化を指摘する。

 日欧EPAも、投資をめぐる企業と進出先国との紛争処理手続きなどの懸案を解消した最終合意を年内に行うべく調整している。日本の通商政策にとって、秋は国益を左右する“重量級”の交渉が相次ぐ正念場だ。うまく乗り切ることができれば、本格的なメガFTA時代が幕を開ける。(田辺裕晶)

【用語解説】日欧EPA、FTPとは?