「加計(かけ)学園問題」や防衛省の日報隠蔽(いんぺい)問題などは、今後も、真相解明が必要ではあるが、その一方、安倍政権が、内閣改造による人心一新を行うことで、国民のために何をするかが、より重要であるはずだ。
私は大きく2つのことが急務の課題であると思っている。
一つは、日本を取り巻く国際情勢の中で、安全保障態勢を、米国とともに強固なものにすることである。これは、信頼される防衛大臣の下、防衛能力強化のための方策、そのための予算増額が必要であろう。8月末の来年度予算の概算要求に向けて、本気で取り組めるかが問われる。
もう一つは経済政策である。第2次安倍政権発足以来の日銀の物価上昇目標を、また先延ばしした。経済の回復は安定基調にはないということである。その大きな要因は、個人消費が増えていかないことにある。平均寿命が延びたことによる「老後の長期化」とそれを支えるはずの財政基盤が、少子化により脆弱(ぜいじゃく)なものになっていることが、根本的な要因だ。
消費税増税まであと2年であるが、増える高齢者とそれに伴う社会保障費の増大を考えれば、2%の増税、つまり5兆円の財源確保で解決できるのだろうか。