また人口減の社会では消費の拡大は難しく、根本的な制度の再設計が必要であることは明らかであるはずだ。そこに真剣に取り組まない限り、国民の不安は払拭せず、個人消費も増えない。プレミアムフライデーやキッズウイークなど、場当たり的な策で回復すると本気で思っているのなら、その意識を改めない限り、安倍政権への信頼回復は見込めない。
安倍政権は、国際的に日本の信用を高めることに力を発揮してきた。外交政策は評価に値するものであることは間違いない。しかし、国民の日々の生活に関わる政策については、明らかに手薄になっていた。今後の政権運営では、首相自身が「苦手」とも思える分野に、しっかりとした担当者をつけて政策を実行することが必要である。
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【プロフィル】細川珠生
ほそかわ・たまお ジャーナリスト。元東京都品川区教育委員会教育委員長。テレビ・ラジオ・雑誌でも活躍。千葉工業大理事。一児の母。父親は政治評論家の故細川隆一郎氏。