【アセアニア経済】チャンギ空港が「世界一」である理由 無人化技術でコスト圧縮 危険人物も見抜く (3/3ページ)

シンガポールのチャンギ国際空港の第4ターミナル。搭乗客は無人機を使って荷物を自分で預ける(吉村英輝撮影)
シンガポールのチャンギ国際空港の第4ターミナル。搭乗客は無人機を使って荷物を自分で預ける(吉村英輝撮影)【拡大】

 東京23区ほどの国土に約570万人が暮らす都市国家シンガポールは、観光産業に注力してきた。日本貿易振興機構(ジェトロ)シンガポール事務所によると、2001年に752万人だった外国人来訪者は16年に1640万人へ増加した。

 内訳は4割が観光で、2割がビジネス目的だった。国別では近年、中国やインドからの来訪者が上位を占めるようになった。途上国を含む旅客を今後も取り込んでいけるかが、国の経済をも左右する。

 T4の運用開始により、チャンギ国際空港の年間取り扱い能力は、1600万人増えて8200万人となる。建設中の商業施設が19年初旬に開業予定で、20年までに第3滑走路も新設して、20年代末までには新たに5000万人を扱える5番目のターミナル(T5)が加わる。年間取り扱い能力を1億3500万人に引き上げ、アジアのハブ空港の地位を維持していく計画だ。(シンガポール 吉村英輝)