【マネー講座】《NISAを学ぶ》(1)〈投資の利益は非課税〉資産運用で「手取り」に影響 (1/3ページ)

 株式や株式投資信託などに投資を行い利益を得ることができた場合、原則として約2割の税金がかかります。しかしNISA(少額投資非課税制度)を使って投資を行った場合、利益は非課税となります。税制の違いによっても投資の成果は大きく変わります。本シリーズはNISAについて解説します。(大和総研 是枝俊悟)

投資の利益には原則2割の税金がかかる

 個人が株式や株式投資信託などに投資をする一番の目的は、配当・分配金や譲渡益によって「利益」を得ることでしょう。ですが、通常、個人投資家はこれらの投資によって得た利益の全額を手にすることはできません。投資に対する利益にも原則として所得税が課されるからです。

個人が株式や株式投資信託に投資を行うことで得た配当・分配金・譲渡益などの、いわゆる「投資の儲け」に対しては、所得の金額によらず、(住民税を合わせて、復興特別所得税を除いて)原則一律20%の税率となっています(※配当・分配金については総合課税を選択し、累進税率と配当・分配金の一定割合の税額控除の適用を受けることもできます)。

 簡単な例をあげると、個人投資家が100万円の株式を購入して、150万円で売ることができたら、50万円の「儲け」となりますが、このうち20%の10万円は税金として納めなければならず、税引き後の「儲け」は40万円となるわけです(簡略化のため手数料等は考慮せず、復興特別所得税を除く)。

NISAならば運用益は非課税