【論風】私大を悩ます2018年問題 選ばれる大学になるには…求められる「質の保証」 (2/3ページ)

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 言葉はアイデンティティーであり、日本文化のDNAは言葉だ。國學院大學は日本語を大事にする教育に注力してきた。この建学の精神を旗幟(きし)鮮明にしており、学生には母国語をしっかり学ばないと第2言語は身につかないと教えている。これが國學院の質の保証になり、この視点で質を高めていく。昨年4月に「21世紀研究教育計画」(第4次)を策定した。「人文・社会科学系の標となる」ことを将来像に掲げ、「主体性を持ち、自立した『大人』の育成」を教育目標に据えた。大人とは具体的にいうと「酸いも甘いもわきまえて、他人の失敗に寛容で、謙虚に学ぶ」こと。身につければどこにいっても役に立てる人材になれる。

 一方、産業界に目を移すと不祥事が多い。日産自動車やSUBARU(スバル)の不正検査、神戸製鋼所などのデータ改竄(かいざん)といった不祥事は、コンプライアンス(法令順守)というより当たり前のことができていないから起こった。規則やルールの厳格化や小さなミスも許さない風潮がはびこり、遊びや余裕がなくなったからだ。

 合理的、功利的、即効的な質が重んじられるが、遊びや余裕があってこそ長期的、将来的に強固な質が保証される。改めて質を考え直す必要があり、企業はゆとりがなくなったとはいえ、即戦力ではなく長期的に役立つ人材を求めるべきだ。それはタフで多様な視点でとらえることができる人材だ。

失敗から学ぶことは多い