
深センの秋葉原とも呼ばれる電気街、華強北(ファーチャンベイ)(ジェトロ提供)【拡大】
◇
■「企業データが筒抜け」リスクも
さらに、中国政府がEV生産の免許付与を一時停止する計画も浮上している。中国でEV専業メーカーが急増し、供給過剰懸念が表面化しているのがその理由だ。
電子商取引(EC)やカーシェアリングなどのビジネスでは、情報を世界中でやりとりできるかが重要だ。ところが、中国が昨年6月に施行した「サイバーセキュリティー法(インターネット安全法)」では、中国で入手したさまざまなデータの海外持ち出しが大きく制限された。それだけでなく、「ここまで管理されると、企業データが中国政府に筒抜けになるリスクもある」(日本企業)という。
また、中国のネット大手、騰訊控股(テンセント)がスマホ向けなどに提供する交流サイト(SNS)サービス「QQ」は、中国共産党や当局から批判され、一時停止に追い込まれる事態も起こった。中国ビジネスでは常に政府との距離感に神経をとがらせなければならず、リスクと背中合わせだ。
ただ、産業競争力で日米に対抗する政府の方針を背景に、「(深センをはじめ、中国市場は)無人店舗やEVなど先端技術の巨大な実験場で、日本が後追いになる可能性もある」(大手商社)との声もあるだけに、新たなITの聖地をどう成長戦略に取り込んでいくか。日本企業にとってはかじ取りの難しい課題となりそうだ。(上原すみ子)