訪日客増、地方に効果波及の兆し LCCやクルーズ船好調 消費単価向上が課題 (2/3ページ)

 クルーズ船も好調

 訪日客が東京、京都、大阪などの「ゴールデンルート」に集中する傾向は続くが、地方空港での国際線の増便やクルーズ船の寄港増に伴い、地方に足を延ばす動きも広まる。

 17年1~10月の外国人宿泊者数が約21万人と、東北6県でトップの青森県。誘客に力を入れた中国や台湾などの定期便やチャーター便が増えたためで、リンゴ狩りや伝統工芸品の津軽塗体験にも訪日客の姿が見られる。

 五所川原市で雪原を歩く地吹雪体験ツアーを主催している角田周さん(64)は「ツアーを始めた30年前には外国人はほとんどいなかったが、今は7割ほどを占めている。旅行者の口コミで人気が広まった」と話した。

 長崎市の長崎港は17年のクルーズ船の寄港数が267回で全国2位に。今月12日にも中国人ツアー客らを乗せた全長約300メートルの大型船が入港するなど好調が続く。

 しかし、客の大半は入場料がかからない平和公園や免税店をバスで巡るため「地元の商店や有料施設への経済波及効果は期待ほどではない」(市の関係者)という。

 長崎県の担当者は「消費拡大のため地元産品をPRして満足度を高め、リピーターを増やしたい」と意気込む。

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