訪日客増、地方に効果波及の兆し LCCやクルーズ船好調 消費単価向上が課題 (3/3ページ)

 富裕層向け体験を

 20年の政府目標である訪日客4000万人、消費額8兆円を達成するには、1人当たり消費額を20万円に引き上げる必要がある。だが、17年は2年連続で前年比マイナスの15万3921円にとどまった。訪日客数が2位だった韓国(約7万円)など中国を除くアジア諸国の客単価の低さが要因だ。

 政府は19年1月から出国者1人につき1000円を徴収する新税「国際観光旅客税」を導入する。訪日消費の拡大に向け、仮想現実(VR)技術を利用した遺跡の再現といった新たな観光資源を開発するための財源としたい考え。「客単価が高い欧米やオーストラリアからの誘客につなげたい」(観光庁の担当者)

 訪日観光のコンサルティングを手掛ける「ランドリーム」(東京)の原田静織社長は「訪日客のニーズは多様化しており、寺社や茶道など既存の日本のイメージにとらわれず、富裕層を取り込む体験を用意する必要がある」と指摘している。