川崎に延焼防ぐ「防災空地」 神奈川県内初、空き家を解体し活用 (3/3ページ)

 市側は、住宅街の防災性が向上し、普段は土地を多目的に利用できることから、まちの魅力も高められる。町内会にとっても地域交流の場が生まれるほか、防災倉庫の置き場が確保できるなどメリットは多い。

 市では、2カ所の不燃化重点対策地区内で、空き家の所有者に働きかけるなどして、今後も防災空地を増やしていく予定だという。

 小田エリアの防災空地では、10日に完成記念のイベントを行う。地域住民らを集め、「かまどベンチ」を使った炊き出しを行うほか、焼きいもを作ったり、敷地内にプランターを置いて花の苗を植えたりする計画だ。

 ■木密地域 古い木造住宅が過度に密集し、地震などが引き金となって火災が発生した際、延焼が拡大しやすいとされるエリア。「燃えやすさ」などの国の指標に基づいて全国の各自治体が「不燃化重点対策地区」「不燃化推進地域」などとして指定し、家屋の解体に補助金を出すなどの対策を進めている。県内では、川崎市内の2エリア(川崎区小田2・3丁目、幸区幸町3丁目)と横浜市の5区(神奈川、西、中、南、磯子)内の計1140ヘクタールに存在する。